授業事例
リアルタイム/オンデマンド併用型 × 講義政治経済学部 国際関係史
川嶋 周一 先生
授業概要・オンラインの活用状況
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リアルタイム/オンデマンド併用
リアルタイム
講義の特色 |
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開講期間 | 2020年度秋学期 |
配当年次 | 3~4年生 |
開講地区 | 駿河台キャンパス |
履修人数 | 50 |
使用言語 | 日本語 |
到達目標 | 17世紀から20世紀末までの国際社会の構造形成、変容、国際社会の力学のありかた、そして主だった国際政治上の事件(第一次世界大戦等)について、基本的な知識と視座を獲得し、現在の国際社会における諸問題を歴史的な視点からとらえ直すことができること |
オンライン授業としての特長 |
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オンラインを活用した授業方法・内容
リアルタイム形式
使用ツール | すべてZOOM |
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ツール活用方法 | ライブ授業(録画して後日クラスウェブで視聴可能) |
内容 | 前項目(オンライン授業としての特色)を参照のこと。 |
オンデマンド形式
作成ツール | パワーポイントに映像をつけて、最後に動画に変換している。動画変換した後は、原則的に編集は行っていない。映像での説明に不備があった場合、パワーポイントにアニメーションをつけて説明を補足した。 |
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動画の平均時間 | 1)20-30分、2)50‐60分、3)50分、4)30-50分 (4単位、半期集中科目。やや動画時間は長くなってしまった) |
内容 | テキストに沿って説明を行っている。 |
予復習の指示、成績評価の方法
予習 | 各回で具体的な指示をしているわけではないが、全体的には、指定したテキストに目を通すようには指示した。 |
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復習 | 各回において、参考文献をつけたので、わからない点があった場合は、その参考文献を見るようにと指示した。 |
成績評価 | 各回の課題:70% ディスカッションの参加もしくは代替レポート:30% |
学生とのコミュニケーション
学生とのコミュニケーション方法 | (1)Oh-o!Meiji内アンケート機能 (2)フィードバック授業におけるZoomでのチャットおよび音声によるやり取り。(ゼミ学生で個別の連絡先を把握している場合は、個別に質問に回答したりもした) |
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工夫や苦労したこと
工夫した点 | 教材の映像に色々と工夫を凝らし、受講生が「エンタメ気分」で受講できるようとしたことである。とは言え、それほど凝った編集をした訳ではない。 具体的には、 1)本授業がヨーロッパを中心とする国際関係の歴史を扱うことから、歴史上の地図や人物、写真などの映像や画像を可能な限り多く教材に盛り込み、「できるだけ画面を文字だけにしない」ことを心がけた(途中から、どうしても文字だけになる場合は、背景を写真にするとよいことに気が付いた)。また、説明の際の口調も、原稿を読み上げるのではなく、説明内容を一度文字起こししたうえで、それを頭に入れて自分の言葉として話しているように演出した。普通の人は、話すときにはそれなりの「間」が開いてしまうもので、YouTuberのような映像ではその「間」を編集でカットして映像としてのスピード感を演出している。そのような編集を行うのは物理上不可能なので、間を編集することはしなかったが、間が生まれないように、こまめに説明内容を暗記し(その都度録画し)たうえで、滑らかに説明しているように演出した。 2)教材はパワーポイントファイルを映像に転換する形で作成しているが、パワーポイントファイルにできるだけ「アニメーション」をつけた(説明するタイミングで文字や絵が登場したり動いたりする、アレ)。学生がパワポで発表する場合はアニメーションをつけるのが普通だし、このあたりのパワポファイルの作成センスは学生の方がずっとあるように思うので、学生が「自分で作ったファイルの方がマシ」と思われないようにした(つもり)。 3)授業内容のイメージを盛り込んだ独自のオープニング映像を作成し、回を選んで流したこと。また、各回でオープニング映像は適宜編集し、「前回見た映像と微妙に違う」と敢えて公言して、その映像を見るように誘導したこと 4)また、受講生がクスっと笑えるような、あえて「ツッコミどころ」をできるだけ最低一か所はあるように作ったこと。(これは上手く作れない時もあった) 5)授業の終わりになると決まって流れる「エンディングテーマ」を決めて流し、「映像作品として今週は終わり」というイメージを演出したこと。 6)ゆえにまとめると、授業であっても、受講生はそれを「映像」として見る以上「映像作品」としてあたかも成り立っているようかのようなものとして「コンセプト」を考えて作成したこと。たとえて言うなら、自分で毎回NHKスペシャルを作っていた感覚があった(もちろん映像作品としてNスぺとは天と地ほどの違いがあるのは重々承知しているが、意識として)。 また、授業の特色でも書いたような、授業全体の設計を複雑なものとしたが(毎週のフィードバック授業実施、三回にわたるディスカッションの実施)、これはすべて「遠隔授業であっても受講生が本授業に参加している気分を体感させるための仕掛け」として考案したことである。 |
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苦労した点 | 工夫した点の裏返しであるが、オンデマンド教材の毎週の作成は極めて時間がかかり、通常の授業準備の5倍位の時間とエネルギーを取られたように感じる。授業で説明する内容の準備すら、例年ではいっぱいいっぱいなのに、それに加えて「映像作品としての質」を考えてその作成に充てなければならない時間は想像以上に長く、大変しんどかった。それでいて、毎週短めであるが、フィードバック授業もZOOMライブで行うので、体力的にも精神的にもきつかった。あまりに長時間労働が続くと鬱になる、という話を身をもって体験しそうになった。 |
失敗した点 | 反省すべき点、改善すべき点は多数あるが、「これは失敗だった」というのは、正直よく分からない。 とはいえ、強く反省すべき点、同様の授業を行うのであれば改善すべき点は多数ある。 強く反省すべき点としては、受講生の受講インセンティブが分からない場合、どのような工夫を凝らしても、「負担感の重い授業」は敬遠される傾向があり、その点を考慮せず、授業設計をしたことである。教員も体力的・精神的に多大な時間とエネルギーを使ったが、受講生側も非常に負担に感じたのが、授業改善アンケートからも伝わった。 改善すべき点としては、授業の進行の仕方を試行錯誤したため、成績のつけ方も二転三転し、受講生に多くの混乱と誤解を呼んだことである。また、各回の「課題」+3回のディスカッションへの参加もしくは代替レポートと、提出すべきものが多く、かつ毎回の課題も1週間の期限内の提出は「出欠」から、それ以外は「レポート」から、と提出すべき場所も複雑で、この点も多くの混乱を生んでしまった。 また改善すべきもう一つの点として、本授業の設計がやはり中途半端というか、どっちつかずだったことである。すなわち、授業の特色として教材を一週間前に提示しその課題を出してもらいそれに基づいてフィードバック授業をする、というサイクルについてきてくれた受講生がいる一方で、このサイクルには徹底的に乗ってこなかった受講生もいた(その比率はざっくり言って1:4である)。とはいえ、授業の特色でも書いたように、「オンデマンド型授業」の利点はいつでも授業に取り組めるのだから、学期を通して授業にいつでも参加できるようにしなければ意味がない、と思ったのもまた事実で、後者が前者よりアプリオリに「怠けている」ということではなかろう。とはいえ、課題の出来として、圧倒的に少数派の前者の受講生は、例年と比べても極めて優秀な答案(課題)を作成・提出してくれた。後者の受講生の場合、多少遅れてはいるが定期的に課題を提出してくれた受講生は少数派で、多数は本当の〆切ギリギリになって、多数の課題を一気に提出した。正直、この手の提出をする受講生の答案の出来はそれほど良くなかったのもまた事実である。 |
アイデア | ①本授業の肝は、「オンデマンド教材の提示→教材を視聴したうえでの課題提出→リアルタイムでのフィードバック」というサイクルのもとで授業を行ったことである。これはひとえに、オンライン授業(オンデマンド型)において、不可避的に生じる受講生側の「放置感」「孤独感」をできるだけ抑えるためのものだった。 学生と(限られた範囲ではあるが)話して学生が最も不満に思っているのは、教員とのコミュニケーション不全が起きた場合である。コミュニケーション不全を回避するためのフィードバックはオンライン授業には不可欠だと強く感じる。 (余談であるが、学生側の意見や不満に教員が「耳を貸さない」ということに学生がいっそう強く不満に感じるケースを見聞することが多い。これも、一種のコミュニケーション不全であろう) ②オンデマンド教材を一つの映像作品として受け取ってもらうため、例えば、こちらが説明する際には、必ず立って撮影した |
改善した点 | 授業内容の下となっているノートの内容自体はそれほど違いはない(違いを作れるほどの準備時間がなかった)が、伝え方はすでに書いているように、相当変えた。 |