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授業事例

リアルタイム型 × 講義、実技文学部 音声学A/B
新城 真里奈 先生

授業概要・オンラインの活用状況

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リアルタイム

講義の特色
  • 講義が中心
  • 実技
開講期間 2020年度音声学A/音声学B:春学期/秋学期
配当年次 2~4年生(ほとんどは2年生)
開講地区 和泉キャンパス
履修人数 70
使用言語 日本語
到達目標 標準アメリカ英語の発音に焦点を当てて、英語音声学に関する基礎知識(子音、母音、音変化、イントネーション)を学びます。理論に基づいて練習を行うことで、英語の発音や聞き取りの改善に結び付くようにしますが、授業としての主要な目的は基礎的な理論の理解です。3年生向けの専門科目やゼミ・卒論につながっていきます。
オンライン授業としての特長
  • 基本的には講義形式ですが、希望者に対しては数名のグループにわけて、発音指導をし、個別のフィードバックを与えています。

オンラインを活用した授業方法・内容

リアルタイム形式

使用ツール Zoomで下記を画面・音声共有しています。
タブレット端末(白紙画面を表示して、画面共有、スタイラスペンで板書を書き込んでいくーーー教室の黒板の代わりです)
CDとWindows Media Player(教科書付属のCD再生・音声共有)
ウェブブラウザ(ネット上の資料を画面・音声共有)
Oh-o! Meijiのアンケート、レポート機能
内容 講義形式で行っております。通常であれば、黒板に板書しながら説明していましたが、オンライン授業になってからは、手持ちの機材の「メモ用紙」のようなものを開き、その画面を画面共有、そこにスタイラスペンで書きこんで、板書をしながら、口頭で説明するという形式(約80分)です。
授業の最後の20分は、その日に学んだトピックに関する問題(課題)を解く時間です。各自解いて、授業時間内にスキャンしてPDFにて提出してもらっています。また、この20分の間に、希望者に対して発音の指導を行っています。英語では区別しなければいけないけれども、日本語母語話者にとっては区別が難しい音(例えば/l/と/r/など)を単語レベルで発音できるようになるまで、具体的に唇や舌をどのように動かせばいいか指導しています。

予復習の指示、成績評価の方法

予習 教科書の該当ページを読んでおくこと
CD音声がある場合は聞いておくこと
復習 毎回解く問題の復習
成績評価 貢献度/内容理解度確認問題10%、小テスト20%、期末試験70%

学生とのコミュニケーション

学生とのコミュニケーション方法 Zoom
メールによる連絡

工夫や苦労したこと

工夫した点 この授業は3年生のゼミや卒論につながるものなので、講義を聞いて基礎的な知識を理解してもらうことが非常に重要です。具体的には、発音記号を正確に使用すること(記号が表す音を認識したり、区別して発音できること)に加えて、子音の発音をする際の音声器官の図(頭部の簡素化した断面図)や母音図を用いて、英語の子音や母音をする際に音声器官がどのように動くのかを説明できるようになることなどです。対面の時は紙媒体で、毎週授業の最後の課題として出していました。それをオンラインでどうするかが問題でしたが、手持ちの端末でPDFに書き込みができるものがありましたので、学生にはアプリを紹介して、全員がスキャンとPDF化ができるようにし、Oh-o! Meijiの「レポート」でPDFで提出させることにしました。提出された課題を、ダウンロードして、添削し、再度アップロードにて返却という手順は非常に手間がかかりましたが、なんとか毎週やっています。毎回問題を解くことで、理解も深まります。また、対面と違って、休み時間に気軽に質問することもできないので、「わかりにくかったところがあったら、余白に『○○をもう一回説明してほしい』という風に書いてください」と伝えていました。人前で聞くことの恥ずかしさがない分、通常より多くの質問やコメントが届きました。質問やコメントは、個別に返すだけでなく、翌週の授業で全体へのフィードバックにも活用しました。

機材の面では、リアルタイムで板書ができる端末の活用の他に、性能の良いマイクを準備し、口の形状が見えるように常にカメラオン(学生はオフ)で授業をしています。音の細かい違いを教えないといけない授業の性質上、性能の良いマイクとカメラが欠かせません。
苦労した点 苦労したというよりも困った点ですが、学生の方のマイクの性能が原因で(高周波域のカットおよび圧縮)、学生の発音に対するフィードバックに困ることがありました。
また、授業の準備や課題の添削は、通常より手間と時間がかかりました。

その他には授業の最中に苦労したことは特にありません。最初は、講義の途中で数名指名して発音をさせようとしても、嫌がってなかなか発音してもらえないのではないかと心配していましたが、顔が見えないからか、躊躇するような学生はいなく、むしろ「こうですか」と何回も発音する人も例年より多かった印象です。学生の声は近くにある端末のマイクで拾われているので、声が小さすぎて、何回も発音させないといけない、ということもほとんどありませんでした。
失敗した点 最初はZoomの画面共有ができていなかったり、Oh-o! Meijiのアンケートが思うようにいかないこともありましたが、春学期の半ば以降は「失敗」というのはなかったように思います。
1つだけ、困っていたのは、アンケートを一度登録した後に、締め切りの時間を変更できないことでした。Oh-o! Meijiのシステムが変わって、変更可能になったので、助かっています。もし可能であれば、現時点では確か、締め切りを過ぎたら、その後は変更ができない(変更可なのは、締め切りの前)と思いますので、締め切り後でも管理者は変更できるようにしていただいた方が使い勝手が良いです。授業の小テストで使う関係で、短時間しか開かない設定にすると、進度によって、小テスト開始が遅れた場合に困ることがありました。
改善した点 授業の内容はちがいがでないように、対応しました。しかし、希望者に行っている発音指導(個別のフィードバック)は、例年はクラスの半分の学生が希望しますが、今年は大幅に減りました。

授業に関連のある画像

授業で見せた、Youtubeに上がっている動画のスクリーンショット。音声器官が動く様子をレントゲンで撮影したもの。この画像では、ちょうど[p]を発音しているところ。
授業中に画面共有で提示している板書。音声器官の図をはじめとして、様々な図を用いて、発音のメカニズムを説明します。板書内の図:/p/を発音する際の音声器官の様子