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授業事例

リアルタイム/オンデマンド併用型 × 語学留学生・国際連携科目 日本語(速読)A
黒﨑 典子 先生

授業概要・オンラインの活用状況

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リアルタイム

資料・課題提示

リアルタイム/オンデマンド併用

講義の特色
  • グループワーク形式
開講期間 2020年度春学期
配当年次 2年生
開講地区 和泉キャンパス
履修人数 16
使用言語 日本語
到達目標 この授業では、日本語の高度な運用力を伸ばす訓練の一つとして、特に日本語の様々な文章を素早く読み取る練習を行う。また、単に文章の内容を読み取るだけでなく、その内容の概要を口頭で正確に説明できるようにすることを目指す。
オンライン授業としての特長
  • 【孤独を感じさせない仕組みづくり】半数以上が入国できない留学生、その他は非常時に海外にいる留学生という、学生自身が孤独を感じやすい環境であったことから、オンラインであってもできるだけコミュニケーションがとれるように留意して授業を行いました。具体的には、クラスLINEを作って学生同士が気軽にやり取りができるようにし、Zoomではブレイクアウトルームでのグループワーク中心、Google ドキュメントでは課題作成の共同作業がスムーズに進むようにデザインしました。
  • 【授業活動】インターネット上で適切なレベル・内容を読むことができるサイト(新聞社のネット記事、青空文庫等)を紹介し、こちらで提示した基準に従って、学生自身が自由に読解教材(新聞記事等)を各自で選択できるようにしました。選択した記事の要約、そしてそれに対する意見を書き、記事とともにクラスウェブの「ディスカッション」で共有させ、クラスメイトが選んだ記事の中からも、興味のあるものを読めるようにし、授業目的に沿う環境づくりをしました。/さらに、そこで各自が学習した内容をZoomのブレイクアウトルームを利用したグループワークでディスカッション、そして、メインルームで発表ができるようにデザインをしました。/最終的な内容理解の確認のため、ペアワークで読解・語彙・表現等を含む試験問題を作成させました。そして、その試験は、自由に他の学生が解答・提出できるようにし、採点も作題ペアが行いました(もちろん、教員は作題時、採点時にチェックを行いました)。試験問題を作る、採点をするということは経験がなかったようで、難しかったが勉強になったという声が多く聞かれました。
  • 【留意した点】海外からの受講者は多くがネット環境が安定していなかったため、Zoomの授業回数を半数にし、授業時もLINEかメールで連絡が取れるようにして何かが起きた時にもすぐに対応できるようにしました。/オンデマンド授業の際にもLINE、メールで質問を受け付けられるようにしていました。/ブレイクアウトルームの活動では、「HELP」で教師を呼べるようにしたことに加え、グループを巡回して、活動が順調に行われているかをチェックしました。/飽きさせないように様々な活動形態を取り入れるようにしました。
  • 【オンライン授業としたことの効果】自立学習を主軸とした学習活動へシフトさせることができ、かつ、グループワーク、クラスワークを組み合わせて、興味を持続させ、孤独感を感じさせないように留意した授業を実施することができました。

オンラインを活用した授業方法・内容

リアルタイム形式

使用ツール (1)Zoom
(2)Googleドキュメント
(3)LINE
(4)Eメール
ツール活用方法 (1)Zoom:個人学習をもとにした学生からの発言が中心となるように授業デザインしました。
(2)Googleドキュメント:グループワーク、ペアワークの際、Googleドキュメントを利用しました。
(3)LINE/Eメール:初期のころ、Zoomでの接続問題が多くあったため、LINEとEメールでオンタイムで連絡が取れるようにしておきました。(例:マンションが停電になり、ネットが使えなくなりました等の相談が海外の学生から来ることが複数回ありました。)
内容 学生が選択したテキスト教材をもとに、Zoomのブレイクアウトルームにおいてグループでの意見交換、内容理解の確認等を行い、それをメインルームで発表する形式をとりました。

オンデマンド形式

作成ツール パワーポイントを用いた講義をしたものをZoomで録画し、簡単に編集後、commons-iにアップロードして、クラスウェブにURL掲載しました。
動画の平均時間 1本 5~10分。一回の授業につき2・3本。
内容 授業ガイダンス、期末課題の説明、課題のフィードバックを行いました。
基本的に、15分以上続けて説明しなければならない内容については、オンデマンド形式、もしくは資料提示形式を用いるように心がけました。
※海外からの受講生のネット環境が安定していないことが多かったため。

予復習の指示、成績評価の方法

予習 特にありません。クラスウェブで事前に授業内容を確認しておくようには伝えました。
復習 課題は締め切りまでに提出するようにさせ、各回の提出物で添削を受けたものを必ず見直し、再提出するように指示しました。
成績評価 期末課題:30%、小レポートを含む授業内課題 40%、授業内貢献度(発言数、課題提出など)30%

学生とのコミュニケーション

学生とのコミュニケーション方法 (1)Oh-o!Meiji内ディスカッション機能
(2)Oh-o!Meiji内アンケート機能
(3)Zoom
(4)Eメール、授業のグループLINE、個別LINE

工夫や苦労したこと

工夫した点 ・日本語学習に対する興味を失わせないようにすること。
・孤独感を味わうことのないようにすること。
・自立学習への架け橋となるような活動を行うこと。
苦労した点 ・学生個人が読解教材を選択する形にしたため、例年以上に対象とする読解教材の量が増え、それに対する準備時間がかかりました。
・学生が混乱しないよう、わかりやすく丁寧な準備と説明を心掛けたため、全体的な授業準備に思っていた以上に時間がかかりました。
・海外在住の学生がネット環境が悪いことが多く、授業開始時にうまく入れなかったり、途中で抜けたりしてしまっていたため、そのフォローに気を遣いました。
・ブレイクアウトルームに分かれてのグループディスカッションの様子や、学生の手元作業(読む・書くなど)が一望できない点に困難を感じました。対面であれば、上手くいっていない時にすぐにフォローできることが、しにくいと感じました。
失敗した点 ・最初の頃、授業中にzoom(PC)が突然ダウンしたことがありました。グループLINEで連絡をし、すぐに回復を試みて対応しましたが、ダウンした原因は結局不明でした。
・ブレイクアウトルームでの話し合いがうまくいっていなかった(話し合いに参加しようとしなかった人がいた)ケースがあり、そのことを授業後の学生アンケートで知りました。対面であればすぐにフォローできたはずですが、それができませんでした。
アイデア 各授業内の目的に沿って資料提示、オンデマンド、リアルタイムを丁寧に使い分けました。文章で読ませ、考えさせるのであれば資料提示に、講義として伝えることが主流であればオンデマンドに、双方向のやり取りが必要であればリアルタイム、というように組み合わせ、シラバス作成時に計画できていれば、効果的に実施でき、学生にもメリハリのある受講姿勢が期待できると考えます。
改善した点 オンライン化にともない、2019年度とは以下の点を変更しました。
・読解教材のほとんどを学生自身がオンライン上で探す。
(それまでも一部はオンライン上の文章を使用していました。)
・共同作業をGoogleドキュメント上で行う。
・添削の返却を早くする
・一人一人への声かけを丁寧にする。

授業に関連のある画像

テキスト選択から意見文執筆までの授業デザイン。これを1セットとして2回実施した(実際には1セット目の第5回と2セット目の第1回が同じ日)。IW(個人活動)、PW(ペア活動)、GW(グループ活動)、CW(クラス活動)を組み合わせ、同期・非同期も使い分けた。